医療現場で急増?モンスターペイシェント

医療機関はサービス業ではない

現代の社会には、ある業界で働く人に対して理不尽な要求を行い続け、その業界を混乱させる「モンスター」が存在しています。

このモンスターが医療現場という業界で発生した場合、それは「モンスターペイシェント」と呼ばれる存在となりますが、これはなぜ発生するのでしょうか。

その原因には、モンスターペイシェントにとって「医療現場はサービス業だ」という認識が存在しているということが関連しているといえます。

例えば入院患者にとって数少ない楽しみとなるのが「食事」ですが、この食事というひとつにとっても、モンスターペイシェントからはさまざまな要求が行われることとなります。

食事が冷めていれば「もっと温かい状態で配膳しろ」といわれますし、健康を考えた味付けであれば「味が薄いからなんとかしろ」といわれるでしょう。

ですがこうした要求のすべてが適切なものかといわれればそうではありません。

もちろん「食事を温かい状態で配膳してほしい」という要求は適切なものだといえます。

食事は患者にとって数少ない楽しみの一つなのですから、それをなるべく良い状態に保ってほしいという要求は多少なりとも発生するものといえます。

ですが「味が薄い」というような要求が適切なものかといえば、そうとはいえません。

なぜならば病院で提供される食事は、患者の体調を回復させることに主眼を置いた食事です。

栄養バランスを考慮して提供がされる以上、そこで使用される塩分の量などには当然制限が出ますから、味よりも健康に対する配慮がなされるのは当然のことといえるでしょう。

美味しい食事を商品として売るレストランという業種に対して味の要求をつけるのであれば、それはある程度認められることですが、病院に対して出す要求としては認められるものではありません。

ここで「味が薄い」と文句を言い続けるようなのであれば、それは病院をレストランのようなサービス業と同列に考えた「モンスターペイシェントの要求」であるということができます。

ここでは最もわかりやすい例として食事を挙げましたが、こうした「病院をサービス業と考えた要求」はいくらでも存在しています。

そうした要求の一つ一つが積み重なればいつしか、病院という医療機関の運営を妨げることともなりえますから、現代社会においてはモンスターペイシェントへの対処が急務とされているのです。